ホームページの効用とノウハウ
ホームページ制作と運営方法をもう一度考えてみましょう!
 ホームページを持つメリットとして、「売上が上がる」「顧客との関係強化」「企業イメージの向上」の3点がよく言われますが、「売上が上がる」ことだけを期待すると、失敗したと思ってしまうのではないでしょうか?現実世界とネット上での商売は、根本的には何も変わりません。人頼みにしておいて効果が得られるというものでは決してありません。インターネットの構造を理解し、見に来てくれる人の動向(アクセス数・時間帯など)を分析し、それに対する適切な対策を講じたものだけが、成果を得られるのです。必要なのはお金ではなく熱意なのです!

そこで考えなければならない主なことは以下の点です。

1.なぜホームページをつくるのか
 一番大切なことですが、目的が明確でないことが、期待した効果につながらない最大の理由になってきます。例えば、「ネット上で儲けたい」「商品をPRしたい」という理由だけでは、具体性がないため、どうしても情報が散漫なホームページになってしまいます。そこで、「特定の年代から製品のマーケティングを行いたい」や「顧客から24時間体制で問合せを受けたい」など、もう少し具体的に考えてみてはいかがでしょう。

2.誰に見せたいのか
 現実世界では当たり前のことですが、八百屋さんに行って車を買う人がいないように、ホームページでも売りたい相手、見てほしい人などのターゲットを明確にすることが大切です。その上で貴社の商品やサービスを購入してくれる可能性のある潜在顧客からのアクセスを継続的に貴社のホームページに誘導することが重要になってきます。具体的な方法として考えられているのが、メールマガジンとの連動です。貴社で発行するメールマガジンに登録されたユーザーに旬な情報を送ることで、売上につなげます。その他、検索エンジンにうまくヒットされるように、「キーワード」をホームページ内に埋め込むことも広く利用されています。

3.更新をどのタイミングで行うのか
 ホームページを業者に委託するにせよ、自社作成するにせよ、費用と労力の使い方を充分に考慮する必要があります。ホームページの制作自体にはある程度の費用や労力を費やしますが、実際に完成したホームページを見てもらう努力をされていないのが実情ではないでしょうか?もちろん、ホームページは作成することにも、意義はありますが、更新することの方がその何倍も意義があります。1日に1回、その日の出来事を公開する。1週間に1回、自社イベントの情報を更新する。1ヶ月に1回、自社製品情報を更新するなど、自社内の情報を計画的に公開することで、訴求力を高めていきましょう。

 最後に、中小企業のホームページは、大企業に比べ効果が得られないのかというとそんなことはありません。なぜならば、インターネットユーザーの急速な増加とブロードバンド化に伴い、個人、企業を問わず人々の消費行動に大きな変革が起きているからです。
e-ビジネスのヒント

売上不振の原因は「ノウハウの陳腐化」 ― 過去を一度否定してみよう―

 新聞雑誌を読んでいると、日本のeコマースには明るい未来が待っている、といった記事ばかりだ。実態はかなり違う。売上が前年比数百%、なんて企業もまだまだ存在するが、前年割れの事例も目立ってきた。
 昨年来、eコマース業界は「勝ち組」と「負け組」にはっきり分かれ始めた。この「勝ち組」の代表例は、「クリック&モルタルの超大型専門店」(実店舗でもネットでも営業する本格的な専門店)と「トップクラスの中小オンラインショップ」であった。だが「勝ち組」の中でも売上の前年比が1割増程度に低下している事例が出ている。中小オンラインショップの場合はかなり深刻である。月商300万円程度までは順調に成長したが、ここで頭打ち。さらに前年割れが始まったケースもある。
 一体何が起こり始めたのか、ということだ。「大型専門店」は例えばパソコンや家電量販店業界が代表例だ。ここでは、獲得すべき顧客はネットに移行済み。要するに総顧客数は既に一定で、これを数社で「食い合っている」のが実情だ。今後の成長は、最近増えつつある「ビギナー層」の獲得にかかっている。だがこの業界は、「ネットの上級者」「中級者」を相手にして育ってきただけに、初心者対応は決してうまくはない。
 一方、中小オンラインショップの方は、「ノウハウの陳腐化」が原因だ。これまで中小店は商品的には「ここでしかないもの」「専門的なもの」を強みとしてきた。最近ではこれにメルマガ販促が加わっている。潜在顧客のメールアドレスを獲得し、ここに対してメルマガを送り、顧客化する作戦だ。これがいずれも効果逓減中。商品の希少性、限定性だけを売り物にする業態は、例えば「デパチカ」でも急増中だ。一時は一世を風靡したメルマガ販促も飽きられ始めている。店主の思い入れが逆に鼻に付く、とはっきり言う消費者も出てきた。今が中小店にとっては正念場だ。過去の「ノウハウ」を一度否定してみる「勇気」が必要だ。「ノウハウ」が逆に顧客不満を招いているかもしれないからだ

e-ビジネスのヒント
利用者の「お悩み解消」を見つめ直そう
― 原点に戻る時期だ

 eコマースが登場して既に8年以上。日本では大企業に伍して中小企業も結構頑張っている。だが、もう一度原点に戻って考え直す時期だと思う。「なぜ、わが社はeコマースを手がけるのか、ホームページを何に利用するのか」ということである。
 この答えは2つしかない。1つは利用者の「不満やお悩み解消に役立てる」ということ。もう1つは従来体験したことのない「新たな価値や経験の提供」ということだ。
 前者の事例は自動車販売だ。アメリカではまず自動車のネットビジネスが脚光を浴びた。理由は簡単である。それまでの営業スタイルが「プレッシャーセールス」であったからだ。「早くサインして!」の一辺倒。プレッシャーをかける ― 消費者はこれがいやだったのだが、ネット以前は他の選択肢がなかったのだ。
 「新たな価値や経験の提供」の事例は書籍である。それまでの書店は大型店でもせいぜい品揃え数は20万点というところ。それがネットでは300万点からスタートした。「従来の経験を越える途方もない品揃え」。これがネット書店の新たな価値を生みだした。日本ではモールの楽天がこれに近い。1万点近いテナント数はそれこそ「ないものはない」という新たな価値を生みだしている。
 だが中小企業の場合は、「お悩み解消」の方をもう一度見直そう。自社の商売で、時代遅れになっている部分は何だろう? 顧客が不便に思っていることは? 資料やパンフレットが手に入りにくいと文句を言われたことは? 消耗品等の供給体制でクレームが出たことは? 問い合わせ電話をたらい回しにして、苦情を言われたことはないだろうか? 営業マンにはまだ会いたくないが、資料だけは欲しいと言われることが増えていないだろうか? ― この解消こそネットの得意技だ。
 ホームページに情報を集約することで、多くの不満は解消できる。まず従来の商売での「不満」「不便」「悩み」は何か、を徹底的に洗い直してみよう。


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