高齢者だけで事業を始める際の支援制度や特典とは?。
中高年の方のこれまでの経験や技術・販売・経営のノウハウを活用して、新規に事業を興したい方に対する支援制度は次の通りです。
1.融資制度
国民生活金融公庫、中小企業金融公庫の「女性・中高年起業家支援資金貸付」が最も有利な条件で利用できます。 ・貸付対象者 女性または高齢者(55歳以上)で新たに事業を始められる方あるいは事業を始めて概ね5年以内の方 ・資金使途 設備資金・運転資金 ・貸付限度額 国民金融公庫は7,200万円(運転資金は4,800万円)
中小企業金融公庫は7億2千万円(運転資金は2億5千万円)・貸付利率 資金使途・返済期間により異なる ・返済期間 設備資金15年以内(うち据置2年以内)
運転資金 7年以内(うち据置1年以内)・保証人.担保 保証人1名以上、担保は必要に応じて
中小企業金融公庫は一部担保免除の特例があるなお、国民生活金融公庫では、無担保・無保証の「新創業融資制度」があります。融資額は550万円以内ですが、担保や保証人が困難な方にとっては利用価値が高いと思われます。これらの制度を利用される場合は、最寄りの国民金融公庫または中小企業金融公庫の支店窓口に条件や手続きについて問い合わせてください。
2.助成制度
厚生労働省が所管する助成金制度として、高齢創業者に対する「高年齢者等共同就業機会創出助成金」があり、一定の条件に該当する場合に受給できます。 ・支給対象者 45歳以上の高年齢者等3人以上が職業経験を活かして共同で創業し、高年齢者等を継続的に雇用する法人で、設立登記後6か月以上事業を営んでいる事業主(雇用保険の適用事業主であること) ・支 給 額 法人の設立登記後6か月以内に支払った該当経費の合計額の3分の2
ただし、上限500万円・該当経費 事業計画作成経費(経営コンサルタント等の相談経費等)
職業能力開発経費(役員および従業員に対する教育訓練経費)
設備・運営経費(事務所工事費、設備・備品、事務所賃借料、広告宣伝費等)この制度を利用される場合は、法人の設立登記日に応じて定められた期間内に都道府県高年齢者雇用開発協会に申請することになりますが、詳細については問い合わせてください。
3.創業ノウハウの支援
都道府県の中小企業支援センター(都道府県によって名称が異なります)では、 ・ 新規創業の際に必要な法務、財務、経営等の相談 ・ 新規創業に関するセミナー、講演会 ・ ビジネスプランの作成指導・診断 などを実施しています。
また商工会議所や商工会等においても、開業に対する情報提供や相談を行っています。実施内容はそれぞれ異なりますので、照会してください。
4.技術・販路の支援
技術面での支援は、都道府県の工業試験場(産業技術センター、工業技術センターなどの名称が多いようです)が、技術相談あるいは機器や設備の開放を行っています。販路の開拓に関する支援は、都道府県や市から、優秀技術製品や県産品の販路拡大事業を受けられる場合がありますので、情報を収集すると良いと思われます。
5.ベンチャービジネスへの支援
これまでに蓄積した技術やビジネスノウハウを活用してベンチャービジネスを起業しようとされる方には、次のような支援制度があります。 (1) 中小企業総合事業団の全国8か所の中小企業ベンチャー総合支援センターでは、ベンチャー企業に対する各種支援プログラムを提供しています。 (2) 新事業創出促進法のスキームにもとづき認定された企業は、新技術に対する研究開発資金の交付、日本政策投資銀行の低利融資、信用保証協会による保証制度その他の資金支援を受けることができます。
都道府県の中小企業支援センターにおいても相談窓口が設置されており、セミナーなども開催されています。あなたの事業はどの支援制度を受けることができるのか、相談窓口も設置されていますので、是非利用されると良いと思います。
関連URL
国民生活金融公庫 www.kokukin.go.jp/
中小企業金融公庫 www.jfs.go.jp/
厚生労働省(高齢者雇用創出助成制度)
www.mhlw.go.jp/general/seido/josei/sougyou/kourei.html
中小企業総合事業団(J-Net21) http://j-net21.jasmec.go.jp