kigyou
起業家とは、人とは違う事を考え、人とは違う行動をとる人間だ。 ジム・クラーク
ネットスケープ・コミュニケーションズはインターネットのウェブ閲覧ソフトを開発した米国のベンチャー企業。その元社長ジム・クラークが雑誌のインタビューで語った言葉である。
スタンフォード大学の準教授だったジム・クラークは、ワークステーションの製造・販売を手がけるシリコン・グラフィックスを創業し、起業家としてデビューした。
「人とは違うことを考え、人とは違う行動をとる」ためには、強固な信念と果敢な行動力が必要だ。実際、マーク・アンドリーセンらが開発した閲覧ソフトの優秀さをいち早く見抜いたジム・クラークは、その将来性を確信し、躊躇なく彼らと手を組むことを決め、一気に会社を設立し、成功を収めている。
ジム・クラークは、自叙伝『起業家ジム・クラーク』の中で、いくつもの名言を吐いている。
「若いプログラマーにとって、年長者であるということは、それだけ長く生きていても、ものにならなかった人、という程度の意味でしかない」
「大多数の起業家にとって最も受け入れがたいことは、起業家自身が、企業にとって必ずしも最適なリーダーでないという事実だ」
「大切なのは、成功し続けるためのカギを握っている優秀な人材を採用し、やる気を起こさせ、彼らを社内に確保し続けることなのだ」
いずれも自分の体験から出た言葉だけに説得力がある。
冒頭の言葉に戻ると、「人とは違うことを考え、違う行動をとる」ことが、起業家にとっていかに大切かは日本の現状を見れば明らかだ。
日本のような同質社会では、こうしたことができる人材は育ちにくい。日本の開業率が米国より低く、経済の活力が失われつつあるのも、その影響が大きい。ただ、それだけに、ビジネスを始めるにあたって、人と違ったことを考え、行動することができれば、大きな成功を収める可能性が出てくる。
もちろん、人と違う行動をとるといっても、見当外れのことをしていたのでは意味がない。感度よく時代と社会の要求をとらえ、古い常識にとらわれずに、新しいビジネスを創造することが大切だ。
saitei
最低資本金規制が2005年商法改正で撤廃、一円起業無条件で可能になる。
2005年に予定している商法改正で、現行の最低資本金規制(株式会社で1千万円、有限会社で3百万)を廃止す方向。
これは、すべての企業が無条件で資本金が一円でも起業できるようにし、起業の活性化を通じて民需指導により経済活性化につなげるのが狙い。
これまでの措置法では、株式会社1千万未満(有限3百万円未満)での会社設立は可能であるとしても、5年後には商法の最低資本金規制(株式・1千万円、有限3百万円)をクリアしなければならなかった。しかし会社起業家の間で「5年後の増資への不安」が少なくない。よって、これまでの時限措置ではなく、一旦起業すれば、その後は増資不要となる商法の改正が成立します。。
よって、この現行の措置法にて即起業化(株式・1千万円未満、有限3百万円未満)し、来たる2005年の商法改正(最低資本金規制の無条件撤廃)を乗り継いで行けば、実質本日からでも資本金1千万円未満の会社設立は可能です。
最低資本金規制を廃止すれば、中小企業挑戦支援法が定める経産省への届出も不要になり、会社設立が一層し易くなる。
米国には最低資本金規制がなく、これがベンチャー企業の設立増による90年代の米国経済の拡大を齎した一因となった事も参考に。
元来、最低資本金規制は会社に一定額以上の財産を確保し、取引先などの債権者保護や会社の乱立阻止が目的だった。
政府は起業の促進に際し、大学が持つ技術や特許を生かして新事業を創設する「大学発のベンチャー型起業」を起爆剤として念頭においている。
dai
2004年から国立大学の独立法人化が施行されるのをにらみ、大学自立策の大学起業誕生が相次ぐ。
2004年4月には、全ての国立大学が法人化され、大きな変革が始まろうとしている。
先端的な科学技術分野の進展、なかでも豊かな知的資産を有し、次世の産業を担う学生が輩出する大学に期待と注目が集まっている。従来のお付き合い的な産学連携から→オープン性や知財管理を重視した企業と大学全体の包括的提携型、さらには同業種企業群との産学官融合が展開されよう。
sinnkisei
新規性等のあるアイデアの具体化に挑戦する創業者又は中小企業の行う事業を資金助成します。
新事業開拓助成金
■対象となる方 次の<1>〜<3>のうちいずれかに該当する方が対象となります。
<1>現在事業を営んでいない個人で、1ヶ月以内に創業する予定の個人
<2>現在事業を営んでいない個人で、2ヶ月以内に中小企業である会社を設立予定の個人
<3>事業開始又は会社設立から申請日までの期間が7年未満の中小企業者等■施策の内容 自らの技術や創造的発想を生かし、従来にない新商品・新サービスの開発や、従来にない革新的方法で商品・サービスを提供する事業を実践する創業者又は新事業開拓中小企業者に、専門家のアドバイスを行いながら助成金を交付します。
助成対象経費 試作開発、サービス実践、販路開拓を行うための経費
助成金額 助成対象経費の1/2以内であって100万円〜500万円
助成要件 推薦機関※からの推薦と第三者からの100万以上の資金提供(借入は除きます) ※商工会議所、商工会、商工会連合会、中小企業団体中央会(申請者が組合の場合)、都道府県等中小企業支援センター等の行政機関からの出捐を受けて設立された公益法人のいずれか。 詳細はここ。
igyousyu
異業種企業の共同事業者に対し補助金などで支援する、中小企業支援新法「中小企業新事業活動促進法-仮称」が2005年4月に制定される。
既存の支援法では対象とならなかった異業種連携への税制、補助金の優遇措置を盛り込んだ新法。
この新法は異業種の企業が集まって立ち上げる事業を支援するもの。
支援策は事業の立ち上げ時に必要な資金の三分二を補助金として出すことや、設備投資に伴う減税などである。こてに併せて中小企業金融公庫など政府系金融機関は共同事業を対象にした低金利融資の制度などを設ける。
これまでの支援は個別企業による新事業の立ち上げや新製品の開発が中心だった。中小企業丁は新事業を資金の乏しい中小企業が個別に立ち上げるよりも、異業種企業がお互いのノウハウを組み合わせて手がける方が成功し易いと判断。
又、並行して政府系金融機関による中小企業の資金繰り支援も拡充する。本人保証を必要としない融資制度の適用条件の緩和や、無担保融資制度の導入を検討。
houjinnzei
法人税の納付不要の新事業体「有限責任事業組合」制度創設。経済産業省は法人税を納める必要がないうえに、出資者の責任を限定できる「有限責任事業組合(LLP)」と呼ぶ制度を創設する準備に入った。2005年1月中に召集予定の次期通常国会に関連法案を提出する。法案が可決されれば、今年夏にも活用できる見通しだ。資本力が弱い個人やベンチャー企業を含む共同事業、弁護士事務所などの活用を見込み、会社でもなく組合でもない新しい事業体の普及をめざす。 経産省は日本にLLPの制度がないのは意欲がある個人やベンチャーの事業化の道を閉ざしかねないと懸念。民法の組合制度の特例として実現を働きかけ、財務省や法務省と大筋で合意した。経産省は「有限責任事業組合契約に関する法律案」の次期通常国会での可決を目指す。 新制度の特徴は株式会社と民法上の任意組合の長所を取り入れる点。株式会社は事業の失敗などに伴う出資者の責任が出資額までしか問われない。しかし、法人税を納めなければならず、利益の分配は出資額に応じて決まる。
●有限責任事業組合(LLP)の特徴
▽有限責任制・出資者は出資金の範囲内で責任を負う。
▽内部自治の徹底・株主総会や取締役会などを設ける必要がなく、迅速な事業運営が可能に。・出資比率と異なる柔軟な損益配分を行う事が可能に。
▽構成員課税の導入・有限責任事業組合(LLP)に法人税が課されず、出資者に直接課税。・有限責任事業組合(LLP)に損失が出たとき、一定範囲内で出資者の他所得と通算可能に。
◆この制度が実現すると、個人やベンチャーが大企業と組む事業体で、個人やベンチャーの影響力を増すことが出来る。少ない出資額でも事業への貢献度に応じて利益の配分や権限の範囲を大きくできる。経産省は産学連携やジョイントベンチャーを促せると見ている。
※LLP = Limited Liability Partership の略。共同事業や専門的な人材が集まった事業化を支援する仕組みとして英国で広がり、度創設後約3年で1万社程度まで膨れ上がった。米国にも似た制度がある。
・・・出資者が出資額までしか事業の責任を負わず、LLPそのものに課税されないなどの長所から、幅広い事業形態による新市場の創設に繋がる効果があるとされる。日本でも産学連携や家電・半導体など先端産業での共同研究開発推進に利用することが見込まれている。